成績のインフレ

イギリスで「大学の成績」のインフレが起きていると話題になっている。
内容は1990年代後半に上位二つの評価を取得する学生の割合が3割しかいなかったのに
2012年には7割を超えているというものだ。
要するにほぼみんなが
「優」か「良」
になったということ。
日本の小学、中学で相対評価から絶対評価に変わったときの話題みたいですが、
実はこの問題、根が深く
大学の経営問題が深く絡んでいると考えられています。
イギリスでは大学の成績が日本とは違い就職に影響するため、学生は良い成績が欲しい。
そして、良い成績者を多く輩出して就職率を上げれば大学の人気も高くなる。
というスパイラルで学力が上がったわけではないのに、
成績評価のインフレ
が起きているというもの。
でも、これが一般化すると企業側からみると、今まで使えた成績というモノサシの信用がなくなり、
企業からの信用がなくなると思うんだけどなぁ、どうでしょう?
でも、企業は選別のために余計にコストをかけて、何かセレクションをすることになるから
そのセレクション産業が生まれて雇用が生まれるというのもあるような気もします。
今の日本では、就職時に大学の成績があまり評価されていないので、すぐにイギリスみたいな事は起こらないとは思いますが、似たような事は高校入試、大学入試では起きています。
実際、東京都立入試では成績が内申点というものに変換されますが、上位高ではほとんど内申点では差がつかない状況になっています。
最近聞いた話では35人クラスに「5」を取る人が半分くらいいるよーという科目もあったりとかするらしいので
なんか成績というのは形骸化してきているような気がします。